知らなきゃ見えない資産!ブランド・エクイティを高めて顧客との絆を創る【マーケティングと経営戦略の世界を知ろう】
僕は勉強するまで知らなかったのですが、企業にとって資産は二種類あり有形資産と無形資産に分かれるそうです。
この考え方が新鮮で、とっても面白いのでぜひぜひ最後まで読んでいってください。
「マーケティング」や「経営戦略」って聞いただけで難しそうですよね?
僕も、以前は難しそうだし自分には縁がなさそうだなと感じていました。しかし、実際に勉強してみるとこれがかなり面白かったのです。
自分は経営をしたいと思っているので、知っておいて損はないと感じました。
自分が学んだことを皆さんにも共有したいと思います!
すでに会社に勤めている人や経営をしている人で「会社の売り上げさえ上がればそんなの知れなくてもいいんだ!」と思っている人もいるのではないでしょうか?
意外とそんなことないかもしれませんよ?
前置きはここまでにして、第5弾目はブランド・エクイティです!
それでは早速紹介していきます!
ブランドエクイティとは
ブランドの持つ資産的な価値のことです。
デイビット・アーカー教授が提唱しました。
企業にとってブランドは重要な資産です。
その資産がどのような要素で構成されるかを示したのがブランドエクイティのフレームワークです。
ブランドエクイティは具体的に四つの要素
- ブランド認知
- 知覚品質
- ブランドロイヤルティ
- ブランド連想
に分けられます。
これらの四つが組み合わさって、
ブランド・エクイティはブランド自体の力を示すようになるのです
このブランドエクイティはなぜ重要になってきたのでしょうか?
従来、企業の資産としては有形資産が重視されていました。
金や物などの目に見える資産は資本として財務諸表に記載され、また現在の財務状況を表すものとして管理されていました。
しかし90年代以降になると無形資産が注目されるようになります。
具体的には、ブランドや社員のスキルなどが目に見えなくとも企業の競争力の源泉になるとして注目されるようになりました。
これらの資産は財務諸表には乗らないものの長期的に企業価値を生み出す資産として注目されるようになったのです。
ブランドもまさにこの無形資産の一つであり企業の重要な資産として捉えられるようになりました。
ブランド・エクイティの4要素
それでは4つの要素をそれぞれについて見ていきましょう
ブランド認知
まず、一つ目はブランド認知です。
ブランド認知とは、そのブランドが商品サービスのカテゴリの中でどの程度知られているかを指します。
ブランド認知には二つの種類があります。
- ブランド再認
- ブランド再生
一つはブランド再認
ブランドのロゴや名前を見聞きしてブランドを思い出す状態。
もう一つはブランド再生
ロゴや名前がなくともそのブランドのことを思い出す状態です。
このようなブランド認知はそのブランドの商品サービスが何かを正しく理解している人が、どのくらいいるのかを知る指標となります。
知覚品質
2つ目は知覚品質です。
知覚品質とは
あるブランドを消費者が見て比較できる品質や優位性のことです。
この知覚品質を通じてそのブランドがどのくらい消費者にとって品質が良く、試してみたいと思われているかを考えることができます。
具体的に考えてみましょう。
消費者は商品やサービスを性能や信頼性、耐久性、付加サービスなどの面から比較検討しています。
これらの品質が優れていると思うブランドほど購入する可能性は高まるのです。
注意したいのは、同じ消費者でも用途やシーンによってブランドの価値は変わるということです。
例えば、同じ消費者があるシーンでは性能を重視し、別のシーンでは耐久性を優先することがあります。
また、実際の品質が優れていてもそれが必ずしも消費者に知覚されていない場合もあります。
そのためブランドの品質がどのくらい優れているのかを分かりやすく伝える努力が必要です。
このようなコミュニケーションを通じ消費者にブランドの品質が伝わることで初めてブランドに知覚品質が生まれます。
消費者は知覚品質を通じて商品やサービスの品質を知り、一度購入するもしくはとても真剣に購入を考えている状況になると言うことです。
ブランド・ロイヤリティ
3つ目はブランドロイヤルティです。
ブランドロイヤリティが生まれることで、顧客がそのブランドの商品サービスを好んでいる状態となり、そのブランドを繰り返し購入したいと考えるようになります。
ロイヤリティが高いほど顧客は他のブランドに切り替えにくくなるため、企業は安定した収益を上げることができます。
ただし、ブランドロイヤリティはリピート率だけでは判断できません。
例えば、リピート購入の理由はたまたま競合には無かっただけという可能性があるからです。
重要なのは競合が現れても変わらずにそのブランドを選ぶかを見ることでブランドロイヤルティがあるか判別することです。
ブランドロイヤルティがあるということは顧客が自発的にブランドへ忠誠心、愛着心を持っている状況といえます。
ブランド連想
最後はブランド連想です。
ブランド連想とは、そのブランドに関して顧客が連想しても大丈夫な範囲のことを指します。
注意が必要なのはブランド連想とは、ブランドの名前から連想されるものすべてではないということです。
自社のブランドから連想させたいものと本来ブランドとは無関係のものであっても連想されてしまうものとは区別する必要があります。
それが出来ないと、ブランド連想の範囲を超えた製品やサービスがブランドを毀損してしまう可能性もあります。
ブランド連想を明確にすることでブランドの範囲を規定することが重要と言えるでしょう。
4つの評価方法
これら四つのブランドエクイティの要素をどのように評価すれば良いでしょうか?
ここでは三つの主な方法を紹介します。
- コストアプローチ
- キャッシュフローアプローチ
- マーケットアプローチ
一つ目はコストアプローチです。
これはブランドを構築する費用の総額からブランド価値を測定する方法です。
二つ目はキャッシュフローアプローチです。これはブランド将来生み出すキャッシュの金額をよくして、現在価値に割戻評価する方法です。
三つ目はマーケットアプローチです。これは市場の類似のブランド価格と比較してブランドの価値を測る方法です
重要なのはブランドエクイティを測る際にはひとつだけの方法に頼らず複数の方法を組み合わせて評価する事です
それによって、より正確にブランド・エクイティを評価するよう心がけましょう。
事例
では事例として、
クレジットカード会社であるアメリカンエキスプレスのブランドブランドエクイティの4要素から分析してみましょう。
まず、ブランド認知としては統一されたイメージで広く認知されています。
具体的にはビジネスパーソン向けのクレジットサービスを提供する会社として多くの人々に認識されています。
また、年会費無料キャンペーンでの入会率がとても高いことから知覚品質についても高いといえます。
アメックスのサービスを一度は受けてみたいという人々が多いことが分かります。
さらに、ブランドロイヤリティも高いといえます。
無料キャンペーンの終了後年会費がかかるようになっても会員として継続する人が多いことから、アメックスのブランドに愛着を持つ人が多いことが伺います。
最後にブランド連想としては、保険やトラベルサービス又は会員限定のレストランでの優待などが連想されます。
これはアメックスが目指す「総合的なエンターテイメントカード」のイメージと一致した形で連想されていると言えます。
このようにアメリカンエキスプレスのブランド力はブランドエクイティのそれぞれの要素から考えることができます。
コツ・留意点
まず、ブランドの価値を伝える努力が重要だということが挙げられます。
どんなに優れた商品サービスであっても顧客に伝わらなければブランドエクイティは向上しません。
さらに、ブランド・エクイティはできるだけ軽量化することが重要です。
目に見えない資産であるからこそきちんとを目指すべき指標を設定して定点観測をすることが有効になります。
また、ブランド・エクイティを考える視点は様々です。
今回は四つの要素からブランドエクイティを考える方法を紹介しましたがそれ以外の視点も日々模索されていることには留意しておきましょう。
ブランドエクイティは企業のブランドを考えるのに不可欠な考え方です。
これを通じて長期的な顧客との絆を作っていくことを目指していきましょう。
謝辞
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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