インターネット時代のマーケティング常識!ロングテールを4339字で解説【マーケティングと経営戦略の世界を知ろう】
この記事を読んでる方の中には既に知っている人もいるかもしれません。
近年インターネットの発達により、注目されるようになった考え方です。
ざっくり理解もしていたつもりでしたが、勘違いして、ビジネスに使おうとすると大きな失敗をまねくかも?
EC サイトの運営を考えている方は、このフレームワークは役に立つ考え方かもしれません。
「マーケティング」や「経営戦略」って聞いただけで難しそうですよね?
僕も、以前は難しそうだし自分には縁がなさそうだなと感じていました。しかし、実際に勉強してみるとこれがかなり面白かったのです。
自分は経営をしたいと思っているので、知っておいて損はないと感じました。
自分が学んだことを皆さんにも共有したいと思います!
すでに会社に勤めている人や経営をしている人で「会社の売り上げさえ上がればそんなの知れなくてもいいんだ!」と思っている人もいるのではないでしょうか?
意外とそんなことないかもしれませんよ?
前置きはここまでにして、第4弾目はロングテールです!
それでは早速見ていきましょう。
ロングテールとは
販売数量の少ない商品や単価の低い顧客から積み上がる売上利益を最大化し全体としての売上利益を大きくすることを言います。
ロングテールを理解するために、まずは、パレートの法則について触れておきましょう。
パレートの法則
パレートの法則とは全商品の内、売れ筋である20%の人気商品が売上全体の80%を占める。
全顧客のうち20%の顧客が売上の80%を生み出すなど、全体の数値の大部分は全体を構成するうちの一部の要素によって生み出されているという現象の事です。
経済活動のみならず社会現象自然現象にも当てはまることが多く広く世の中に知られてきました。
企業活動においては全商品を等しくプロモーションして全商品を店頭に並べたり全顧客に等しく時間や手間をかけて対応するのではなく、売れ筋商品に経営資源を集中的に投下したり売上高の高い一部の顧客に重点的に対応するなど、このパレートの法則に応じて活動の重点を絞るという形で活用されてきました。
パレートの法則の逆に注目する
これに対し、ロングテールは先ほどのあるパレートの法則の活用では重視されていなかった、売れ筋ではない商品に着目しています。
いわゆる売れ筋商品や優良顧客ではなく、販売数量の少ない商品や単価の低い顧客から積み上がる売上利益を最大化し全体の売上利益を大きくしていくという考え方です。
パレートの法則では全体の売上の80%を生み出すと言われている売れ筋の部分をヘッドと呼び、人気のない部分商品をテールと呼びます。
そして、このテール部分をどんどん伸ばしていくことでより多い売上を実現しようという考え方からロングテールと呼ばれています。このロングテールという言葉はワイアード誌の編集長であるクリスアンダーソンによって提唱されました。
どうして、この考え方が生まれたのか
なぜ、パレートの法則に則った考え方ではなくこのような考え方が生まれてきたのでしょうか?
その背景にはインターネットの普及およびそれに伴う E コマースの登場が大きく影響しています。
活用シーン
ロングテールの考え方はどのような場面で活用されているのでしょうか?
代表的な例として
e-commerce をあげることができます。
先ほど説明したように、ロングテールはあまり売れ筋ではない商品も取り揃え取れるの売上利益を積み重ねていこうとする考え方ですが、リアル店舗でこれを行おうとするといくつかの障壁が出てきてしまいます。
リアル店舗
リアル店舗で商品の販売機会を作るためには、その商品を売り場の棚に陳列したり在庫をストックしておく必要があります。
しかし、陳列する店や在庫を確保するストッカーには物理的な制限があるため、おける商品には限りがあります。
つまり、売れ筋ではない商品を棚に並べることは人気商品の販売機会を失うことになるのです。おくことが出来る商品に限りがある以上、そこには人気商品を並べた方が売れ筋ではない商品を並べるよりも商品の回転率も良くなり売上も上がります。
↑こんなんなっちゃいます。
また、チェーンストアのように複数の店舗を展開しているような業態では、各店舗ごとに商品を置く必要があります。
売れ筋ではない商品を各店舗ごとに置くとこの機会損失はより大きくなってしまいます。
例えば、全国に50店舗あるチェーンストアで全体で1年20個しか売れない商品があるとします。
この20個の売り上げのために50店舗全てに商品を置いてしまうと売れ残りが多く発生してしまいます。
それよりも、そのスペースに人気のある売れ筋商品を置いておいた方が全体の売上はアップするでしょう。
Eコマース
一方 、E コマースでは商品の陳列は物理的な店ではなくウェブサイト上で行います。
なので、ある意味無制限に商品を陳列することができます。
そして、顧客は無数にある商品の中から検索機能を使って求めている商品にたどり着くことができます。
つまり、売れ筋ではない商品を取り扱ったとしても人気商品の販売機会を失うことがないのです。また 、EC サイトでの販売の場合はリアル店舗のように各店舗に商品を分散させる必要はなく、大きな物流倉庫に商品在庫をまとめて置いておくことができます。
そのため、必要最小限の在庫だけを持っておけば良いことになります。
先ほどの例では、年間10個売れる商品であれば10個だけ在庫を持っておけば良いのです。
それら以外の違い
品揃えや在庫以外の場面を考えてみましょう。
リアル店舗の場合には商品を販売するために、売れる機会の少ない商品であっても、スタッフがその商品を理解し顧客に説明することが必要となります。
よって、ここに人件費(コミュニケーションコスト)が発生してしまいます。
先ほどのようにチェーンストアで考えてみると、ある店舗では一つも売れない商品であっても店員はその商品を覚えておく必要があります。そのような商品が多ければ多いほど売上に寄与しないコストがかさんでいくことにつながります。
これに対し、 EC サイトでは商品の説明は Web 上に詳しく記載しておけば人による接客を行う必要がないため販売に直接関連する人的コストは変わりません。
つまり、売れ筋ではない商品を取り扱う事を考えるとリアル店舗に比べ 、EC サイトではコストが少なくて済むということです。
このように、人気商品が売れる機会を失うことなく、コストを増加させずに売れ筋ではない商品を販売することができるため、通販サイトではロングテールの売上利益を積み上げていくことが可能になるのです。
Amazonの事例
ロングテールの仕組みを活用している事例として、最も有名な企業の一つは Amazon です 。
Amazon は多岐にわたる事業を展開していますが、ここでは EC サイトでの書籍販売を例にとって説明していきます。
書籍
書籍という商品の特徴を考えてみましょう。
日々新しい商品、つまり、書籍が出版されるため必然的に商品数は非常に多くなります。
そして、その多様な商品の中にはベストセラーと言われる販売数が多い人気商品もあればごく一部の専門家だけが購入するような専門書があります。
また、雑誌のように人気があっても売れる期間はごく短い期間に限られるようなものもあります。
先ほどの話のようにリアル店舗の書店では、今売れる人気商品をできるだけ店に置きそれるの販売に注力していく必要があります。
そのため出版から時間が経った書籍や販売部数の少ない専門書は徐々に売り場からなくなり出版社に返品されます。
店舗からなくなった商品を購入するためには顧客は出版社に直接問い合わせたり古本屋で探すなどといった手段を取らなくてはなりません。
これに対し 、Amazon は旬を過ぎてしまった書籍や専門書など販売数の少ない商品も EC サイト上に掲載して中古品も含め在庫状況を表示しています。
このようにして、継続して販売することを可能にしているのです。年に数冊しか売れない書籍や一冊しか購入しない顧客であってもこれらの売上を積み上げて行ければ大きな売上につながります 。
Amazon はこのような仕組みを構築して売上を大きく伸ばすているのです。
注意点
- 人気商品を軽視するな
- 在庫管理や物流にも注目せよ
人気商品を軽視するな
一つ目はベッド部分つまり売れ筋の人気商品についてです。先ほど 、EC サイトではロングテールの仕組みを作りやすいと説明しました。
これはテール部分を伸ばし販売数量の少ない商品からも売上を積み上げることができるということですが、売れ筋商品を軽視することとは異なります。
EC サイトでも売れ筋商品は存在し、当然のことですが売れ筋商品からの売り上げは全体の売上に大きく貢献します。
テール部分を伸ばすことだけに注力するのではなく、売れ筋商品からの売上の最大化できるようサイトの構築やレコメンデーションの仕方などを工夫していく必要があります。
在庫管理や物流にも注目せよ
二つ目に在庫管理や物流の重要性について触れておきます。
複製、保管、物流の追加コストがほぼゼロのデジタル商材であれば良いのですが、リアルの商材では当然保管や物流のコストが発生します。
商品の陳列、つまり、ウェブサイト上の展示が無制限であり在庫を一箇所で管理できると言っても無尽蔵に在庫をもって良いわけではありません。
過剰在庫はコストに大きく響いてきますので、ECでロングテールを狙う場合でも、過剰な在庫を持たず、また、欠品も出さないという適正な在庫管理は重要です。
また、在庫の集中管理に力を注ぐあまり物流拠点から顧客までの距離が遠すぎたり速やかな配送の仕組みを構築することを怠っていると E コマースとしての競争力を失います。
そのため、適度な物流拠点の分散と配送システムの整備を怠らないことも非常に重要になります。
先の例で取り上げた Amazon はデータを駆使した需要予測、その分析に基づく物流拠点の設置、最先端のロボットを使った仕分けなど取り扱い品目の多さだけでなく在庫管理や物流システムにおいても大規模な投資を行い最適化を図っています。
ロングテールの考え方をよく理解し売上利益の最大化を図っていきましょう。
謝辞
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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