クリンのオミセ

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まだ信じてる?右脳人間、左脳人間の誤解

はじめに

 

小学生の時に、学校の先生からよく言われていたのが「ゲームをし過ぎるなよ。ゲームをしすぎるとゲーム脳になってしまう。ゲーム脳になってしまうと脳がスポンジのようになってしまい、勉強ができなくなってしまう、物覚えが悪くなってしまう、といった悪いことが起きるから気をつけろ」といったことです。

 

中学生の時に、学校で流行っていたのが「右脳人間左脳人間かを診断するゲーム」でした。「両手で指を組んだ時に、右手の親指が上だったら左脳人間。左の親指が上だったら右脳人間」といったものでした。

 

しかし、大人になってくにつれ、そういったものが全くの根拠がない。でたらめだったことに気づいてしまいます。

特に、「ゲーム脳」と一時期メディアでも話題にされていた、デマは今でもかなり悪質なんじゃないかと感じています。(かなりゲームをやるほうだったので、自分の脳がスポンジになってるんじゃないかとヒヤヒヤしました。)

 

今では「ゲーム脳」は全く根拠のないでたらめだと、多くの人が知っていますが、意外にも、未だに「右脳人間が独創的で、左脳人間が理論的」と多くの人が思い込んでいるようです。

 

今回は、なぜそのような勘違いは起きてしまったのかについて説明していきます。

 

脳について

人間の脳をイメージしてみてください。brain figurine

上のイラストのようなしわくちゃで、でこぼこした脳みそがイメージされると思います。

 

人の脳みそは左右にはっきり分かれていると考えられています。いわゆる右脳と左脳です。

 

そしてよく言われているのが、「左脳は理論性を司り、右脳は創造性を司る」です。

 

しかし、実はこれは、

科学的根拠の乏しい俗説なのです!

 

脳の作り

ではなぜこのような誤解が生まれたのでしょうか?

脳みそが右側と左側に分かれてるのは本当です。

 

これは大脳皮質と呼ばれる表面の層を見るとよくわかります。

内部の領域である線条体視床下部視床、脳幹なども連続した組織でできているように見えますが、実際には、それぞれに左側と右側があるのです。

 

https://www.akira3132.info/basal_ganglia.html

わかりやすいイラストと説明がこのサイトに載ってます。

詳しく知りたい方はどうぞこちらへ

 

 

確かに脳の左側と右側では体の異なる機能を司ります。

 

運動と視覚の例

運動する機能と視覚の機能を例に挙げて説明します。

 

脳の右側が左腕と左足の動きを司る、反対に左側は右腕と右足を司ります。

これはわかりやすいのですが、

視覚系はより複雑になります。

 

両方の目それぞれに左右の視野があります。

両目の左側の視野は右側の脳に送られ、両目の右側の視野は左側に送られます。

 

つまり脳は両側を使うことで、完全な映像を捉えているということになります。

片目を閉じることによって、ピントが合わなかったりぼやけたりすると思いますが、そういったことでも両目を使うことによって映像を捉えているということを証明することができます。

 

現在でもなぜ交差するかわからない

意外なことにも現在の医学でも、左右の交差がなぜ起きるのかについては明確な答えが出ていないようです。

 

ある説によれば、大昔に動物が複雑な神経を持ち始めた頃、より素早い反射が生存上有利だったからと言われています。

捕食者が左側から近づいてくるのが見えたら動物にとっては右へ逃げるのが得策になります。

素早く反対側の方向へ逃げる必要があったからかもしれません。

 

なので、視野と運動のコントロールは左右それぞれの脳の構造に依存したシステムだと言ってもいいでしょう。

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俗説の「○脳人間」

 

しかし、この考え方が原因で、「左脳が理論を司る、右脳が創造性を司る」とまで発展してしまうと誤解が生まれてしまいます。

 

脳患者

この誤解が始まってしまったのは、意外にも古く1800年代の中頃

ブローカとウェルニッケという二人の精神学者が、脳への外傷によってコミュニケーションに支障をきたした患者を調べた時の事です。

 

二人は患者の左側の脳に損傷があることを発見しました。

そして、言語が脳の左側で支配されていることを示唆しました。

 

噂で膨らむ妄想

これが民衆の想像力を掻き立てました。

作家のロバート・ルイス・スティーヴンソンの有名な著書で『ジキル博士とハイド氏

があります。

これの起源となるモチーフが、「理論的な左脳(ハイド博士)と感情的な右脳(ハイド氏)が争い合う」というものでした。

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間違いだった

しかし、このアイディアは、すぐに否定されることになります。

医者や科学者が、「脳の片側が生まれつきない」または「左右が分離してしまった」患者たちを調べてみると、理論的な左脳、感情的な右脳は確認されませんでした。

 

若干優位なだけ

後々、多くの研究によっていくつかの機能では脳の片側が反対側に比べ機能がやや高いことが知られました。

言語は左半球に、注意力は右半球により依存しています。脳の方側が多く働くことではあるのです。

 

でも、それは単純に脳の役割の違いで、人によって大きく異なるような事はありません。

 

巷でよく言われるのが、「右脳人間」や「左脳人間」といったものです。

片側だけが特別に優れているというような脳を持っている人は、科学的にはまだ証明されていません。

 

もっと言えば、理論性や独創性に長けている人でも、その人の左右の脳とは関係ありません。そもそも、理論性と独創性がお互いに反発しあうという考えが間違っているのです。

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複雑な数学の問題を解くためには、見事な独創性が必要であり、素晴らしい芸術を生み出すためには、高度な理論を理解する頭脳が必要となります。

 

創造性と理論性の成し遂げることはすべて、脳全体が躍起になって機能し、達成しようとしているのです。

 

まとめ

僕の聞いた話によると、優れた音楽家の多くは教養を身につけていたり、哲学者のような一面を持っているいると聞いたことがあります。

そして、大学の数学教授などものすごく独創的で突飛な発想をする人が多い印象です。

 

その点を顧みても、どちらかがたけか優れているというよりとは、自分の脳が一丸となってより良い発想をしようとしているのだと考えることができます。

 

感謝

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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