売り方ひとつで性質が違う!流通チャネルを使い分けよう【マーケティングと経営戦略の世界を知ろう】
この記事を読んでる方の中には既に知っている人もいるかもしれません(僕は全く聞いたことがありませんでした)。商品の売り方ひとつで顧客への伝わり方、それによって得られるメリットは様々で、多くの企業は必要に応じて使い分けているようです。
かなりシンプルですが、流通チャネルの事について理解するとかなり面白いです。
「マーケティング」や「経営戦略」って聞いただけで難しそうですよね?
僕も、以前は難しそうだし自分には縁がなさそうだなと感じていました。しかし、実際に勉強してみるとこれがかなり面白かったのです。
自分は経営をしたいと思っているので、知っておいて損はないと感じました。
自分が学んだことを皆さんにも共有したいと思います!
すでに会社に勤めている人や経営をしている人で「会社の売り上げさえ上がればそんなの知れなくてもいいんだ!」と思っている人もいるのではないでしょうか?
意外とそんなことないかもしれませんよ?
前置きはここまでにして、第3弾目は流通チャネルです!
では、早速見ていきましょう!
流通チャネル
流通チャネルには、メーカーの製品や提供するサービスを消費者である顧客につなぐ役割を果たします。
例えば、メーカーと顧客が直接取引の時のみメーカーはすべての顧客とのやり取りが必要であり、顧客もこのメーカーにコンタクトをする必要があります。
そのため、手間やコストがかかります。この手間やコストを肩代わりするのが流通チャネルです。
流通チャネルには問屋、小売店などがあり Amazon や楽天などのオンライン販売代理店も含まれます。
3つの役割
流通チャネルには、以下の三つの役割があります。
- 物流・・・物やサービスを顧客の最終購入地に届ける。物流では商品の運搬の他配送先別の仕分け在庫保管などの役割も担います。
- 商流・・・代金を顧客から徴収しメーカーに戻す。商流は売上金回収他、取引において発生する様々なリスクの負担などがあります。
- 情報流・・・商品情報を顧客に伝え、逆に顧客情報をメーカーに伝える。情報流は商品を売るための営業マーケティング活動や顧客データ管理メーカー側が分析するためのデータの集約などがあります。
流通業者の違い
すべてのチャネルの業者はこの三つの役割を等しく持つわけではありません。
例えば、卸売業者は物流の役割が強い反面、情報流は弱い傾向があるといった具合です。
そのためメーカーは三つの役割が満たされるように業者を組み合わせ複数のチャネルを選ぶための戦略が重要になります。
チャネル戦略
チャネル戦略でメーカーと顧客の間にいくつ業者が入るかを見ることをチャネル構造と呼んでいます。
間の業者数を段階として表します。
業者を介さない0段階から複数の卸売業者や小売店が関わる多段階まであります。
0段階チャネル
まず、0段階チャネルは直販と呼ばれる形態です。
価格が高く購入前に説明が必要な製品やサービスに直販が多い傾向がありますが、最近ではパソコンやファストファッションでも直販が行われています。
1段階チャネル
次に一段階チャネルはメーカーと顧客の間に小売店が一つ挟まる構造です。
例えば、自動車や家電製品などの販売代理店などがあります。
多段階チャネル
2段階チャネルや3段階チャネルはメーカーと小売店の間に卸や小売店が2店舗以上入る構造です。
規模や地域によって細かく中間業者が入ることもあり、さらに多段階構造のこともあります。食品や日用品用品などは複数の卸を返して小売店で売られることもよくあります。
次に、段階ごとにどのような特徴があるのか見てみましょう。
特徴
チャネル構造には段階別にメーカーのコントロールのしやすさ、どれだけ多くの顧客に届くかなどの観点で特徴があります。
例えば、0段階の直販や一段階の代理店を挟んだ構造ではメーカーと顧客の距離が短いためメーカーが影響力を持ちやすいという特徴があります。
そのため、価格販売方法のみならずパンフレットの使い方やオプションの付け方などにおいてメーカーの意向より反映することができます。
顧客の情報も取りやすいです。一方で2段階以上と比べると多くの顧客をカバーできません。
特に、直販の販売範囲は狭く物流は自社で賄おうとすると費用がかさみます。
多くのチャネルが間に入る2段階以上の構造では、チャネルが価格や売り方を決める主導権を持つことが多いです。
売れ筋商品やサービスも チャネルが決めたりチャネルが取得した顧客データは有料なこともあります。
一方で、多くの顧客に届きやすくなります。また、各チャネルが物流や在庫管理を行うので範囲は広く品切れも起きにくいと言えます。
このように、段階別に特徴があるのでメーカーは顧客の購買行動に応じて適切なチャネル構造を選択することが重要です。
チャネル戦略の事例
それでは、実際のチャネル戦略の事例を見ていきましょう。
例えば、アップル社のパソコンはアップル社のウェブサイト上のネットストアや直営店の Apple Store から購入することができます。
これは業者を介さない0段階チャネルですね。
ネットストアで買った商品は配送するか Apple Store で受け取ることが可能です。
買ったその日にセットアップまで済ませたいというニーズを持つ顧客であれば買ってすぐに持ち帰れるという直営店の利便性が好まれるでしょう。
0段階チャネルの中でもネットと直営店の組み合わせで顧客の利便性を向上させています。
一方で、1段階チャネルもあります。
量販店で他の電化製品と同じようにパソコンを買いたいと思っている顧客や他社のパソコンと比較検討したい顧客は量販店やパソコン専門店に行くでしょう。
アップルはこの顧客層を取り込むために量販店でも製品を取り扱ってもらっています。直販では Apple 製品を購入しようと思っている顧客のみが対象ですが、量販店ではより多くの顧客に販売することができます。
しかし、量販店にとっては Apple 社のパソコンは数ある商品の一つなので、販売促進という意味ではコントロールが難しいです。
このように、製品の特性や顧客の購買行動を踏まえて複数のチャネルを組み合わせているのです。
まとめとコツと留意点
チャンネルには、商流、物流、情報流の三つの役割がありました。
一般的には売れるか?つまり、商流でチャネルを選択しがちです。
しかし、情報流物流もしっかりと意識しましょう。例えば、渡してもらえる顧客データが新製品開発などに非常に役立つから、製品の扱い方が丁寧でスピーディーに顧客に届けてくれるから、といった視点で業者を選ぶのも一つの戦略です。
そして、何より自社製品にあったチャネル戦略を考えることが重要です。自社の製品を購入する顧客の購買心理や行動を理解して最適なチャンネルを選んでいきましょう。
謝辞
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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