「横になっているだけで体は休まる」は嘘?ベットでスマホの罠!
「 睡眠の質」を下げてしまう行動とは何か?
多くの人が健康や睡眠に関して関心を持っています。そのため、ちまたにはさまざまな健康に関する情報が溢れています。
しかし、果たしてそれは本当に科学的に正しい健康法なのでしょうか?
私たちが良いと思っていたことが、実は逆効果だったりすることがあります。
人生の1/3は睡眠と言われています。そのため健康において睡眠はかなり大きなウェイトを占めるのではないでしょうか。このシリーズでは、睡眠をテーマにして有益な情報を発信していこうと考えています。
今回はその中の一つ、「ベッドでの悪い癖」について紹介していきます。
はじめに
中高生から大学生、または社会人などの忙しい現代社会を生活している皆さんは、なかなか睡眠時間を確保しにくいのではないでしょうか?
そうするとますます重要になってくるのが「睡眠の質」になります。
しかし、意外と多くの人が行ってしまっている睡眠の質を下げてしまう行動があります。
今回はそんな睡眠の敵となってしまう行動を紹介し改善方法をお教えしたいと思います。
結論、睡眠の敵の行動
睡眠の妨げとなる行動は、実はシンプルで
ベッドの上で眠る以外のことをする
ことです。
これを詳しく解説していきます。
ベットの上で何していますか?
スマホをいじるのはお勧めしない
私たちの脳は、
「場所」と「行為」
をセットで記憶する仕組みを持っています。
例えば、ベッドの上でスマホを使って映画鑑賞しているとします。
その時の脳は、映像を見る視覚野と言葉を読み取る言語野を働かせている状態です。
すると、
ベッドの上では視覚野や言語やを働かせてスマホを見る。
という作業をするものだと脳が記憶し、
次にベッドに入ろうとする時は、
予め、視覚野や言語野を働かせて、
スマホで映画を見るという作業がスムーズにできるように準備をしてくれます。
しかし、ベッドはスマホで映画を見る場所ではないですよね?
良質な睡眠をとるための場所のはずです。
でも、脳では映画を見るために脳が準備をしてくれています。
脳をわざわざ切り替えて睡眠するように仕向けなければなりません。そんなことを毎回しなければいけないと考えれば、「睡眠の質」が下がるのも理解できるかと思います。
ちなみに、脳が持つ
フィードフォワード
という働きのため、こういった「場所」と「作業」が関連付けられ、スムーズに作業が行えるように効率化を図ってくれているありがたい機能です。
睡眠中の脳は多いし大忙し?
睡眠中は意識がないので、脳も休んでいると考えがちですが、実はそうではありません。
睡眠中の脳は、とても忙しく働いています。
睡眠中の脳は昼間の出来事の記憶を整理したり、いらない記憶を消去して、今日よりも明日、もっとより良い自分に成長できるように準備をするという仕事があります。
このような大切な仕事があるのに、無駄な部位を働かせ記憶を作ってしまって睡眠を妨げるのは、とても非効率だと言えます。
「睡眠の質」を十分に高めるためには
ベット=睡眠
脳が、睡眠という作業を集中して行える環境を作ってあげなければならないです。
そこで、ベッドの上で眠りに関係ないことをするのは極力控えて、眠る時にだけベッドに入り、「ベッド=睡眠」という記憶を作ることが大切になってきます。
そうすることによって、「睡眠の質」が高いのでスムーズに眠りにつくことができます。
もしベッドの上で読書をする習慣を持つ人だったらな、これらのことを踏まえ、ベッド以外で読書をすることを強くお勧めします。
休憩もベッドの上ではしてはいけない
「疲れているからちょっと横になって休みたい」というような時でも、眠らないのであればベッドに入るのはあまりお勧めできません。
意外かもしれませんが、脳にとっては
「休む」という作業と「眠る」という作業は全くの別物
です。
眠れないのにベッドで横になっていると、ついつい頭の中では考え事をしてしまいます。
その時、脳では考え事をして段取りを立てている役割の前頭葉が働いています。すると脳は「ペット=考え事」と記憶してしまいます。そうするとベッドに入るたびに勝手に前頭葉を働かせてしまうのです。
体を休めたい時は、ソファーなどの別の場所で横になってください。
逆のパターン
夜ベッドで眠れない人で、昼間ソファーで仮眠をとってる人がいます。
その人の脳の中では、「ベッド=眠れない」、「ソファ=睡眠」となってしまい、これではもちろん眠れるはずがありません。
「睡眠の質」を高めたいのなら、ベッド以外のところで頻繁に睡眠をとるのもお勧めできません。
寝たいけど眠れない人
前回お話しした、「人間の大脳が発達しすぎているせいで眠るまでに時間がかかる」に少し関連してきます。
実は、私たちの脳は、
「ベッドに入って15分眠れなかったら、その1時間は眠れない構造」になっています。
どうして?
どういった仕組みなのかを脳科学で説明いたします。
脳には睡眠へ向かっていくサイクルがあります。
- 眠ろうとした時に、うまく大脳を鎮めることができなかったら、
- 今度は大脳が目覚める段階に入ります。
- そして、1時間ぐらい経過すると、再び鎮静する段階が来ます。
多少個人差はあると思いますが、約15分で眠りにつけなかった場合は1時間眠れないというのはそういったメカニズムになっています。
そして、皆さんこういった経験はありませんか?
- なんだか眠れなくて、
- しばらくすると明日の用事を思い出してしまう。
- そしていよいよ本当に眠りにつけなくなってしまう。
- でも、明日が早いから早く眠ろうと頑張る。←
頑張って眠ろうとしても、脳の方は目覚めの段階に入ってしまったので、いくら頑張ろうともなかなか眠れることはできません。
しかし、より最悪なのは、そのベッドの上で考え事をしてしまい
「ベット=考え事」
と余計なサイクルが作られてしまい
延々と考え事をしてしまう状態です。
こうなってしまったら一旦ベッドから出て、何をして過ごしてもいいのですが、
一旦眠くなるまで眠るのは止めるのがおすすめです。
そして、ベッドを出て、しばらくすると、目が重くなり体を横にしたくなるなどの睡眠のサインがあらわれることでしょう。
そのタイミングで再びベッドに入るのが最も「睡眠の質」を下げない方法です。
おすすめの時間の潰し方
ベッドを出た時に、テレビはスマホを見るよりも、部屋を暗くしたままストレッチやヨガをするなど、できるだけ脳に刺激を与えないような方法が確実に眠気を持ってくることができます。
なかなか眠りにつけないような人は、自分なりの無理のない過ごし方を見つけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「睡眠の質」のためにすること
1、眠らないのにベッドの上でダラダラするのはお勧めできません。「ベッド=睡眠」ということを脳に教え込みましょう。
2、眠れない時に、いつまでもベッドで眠ろうと頑張っていてはダメです。かえって、休まらなくなってしまいます。その時は無理に頑張らずに、ゆったりとした時間の使い方をしましょう。